Together -母との契り-

「なぁ、新一」
 帰宅の支度をしていた新一に、友人の隆聖が話しかけてきた。二人は小学校から中学生になる今までつるんできた親友で、良くも悪くも様々なことを今までにやってきている。
「何だよ、隆聖」
「面白いものが手に入ったんだよ。これから家に来ないか?」
「これから…?」
 そう言って教室の掛け時計に目をやる。
 時計は午後三時を少し回った頃を指している。
 少しくらい遊んで帰っても問題は無いか。
 そう思い軽く承諾した。
「ところで、面白いものってなんだよ」
「とりあえず、面白いものとだけ言っておく」
「なんだそりゃ」
 苦笑しながらも新一は隆聖の後ろを付いていった。
 面白いものといわれて興味を惹かれないわけはなかったのだ。
 だが、少し思案した隆聖が口を開いた。
「面白いものって言うよりも、興奮するものか…」
「は…?」
「アダルトビデオだよ。興味あるだろう、お前も…」
 にやけながら隆聖が問いかける。
「いや、俺は…」
 別に、と言おうとして友人にそのささやかな反論は消されてしまう。
「何だよ、興味が無いとか言うなよ。それにお前んち、おばさんと二人暮らしじゃん。そういうの困ると思ってよ」
 ぐうの音も出なかった。
 確かにアダルトビデオには興味があった。
 新一とて普通の中学二年生。
 健康に生きているのだから性的なことには興味くらい持っている。
 だが幼い頃に父とは死別し、それ以来母は恋人も作らず自分を育ててきてくれたので、何となく自分だけ彼女を作ることに遠慮があったのだ。
「まぁ見ていけって、な?」
 半ば押し切られる形だったが、隆聖なりに気を遣ったのだろうか。
 どうせならもっと別な遣い方をして欲しかったが、あえて言うまい。
「ま、どうせなら…な」
「そうこなくちゃな」
「ところでお前、家の人は?」
「あ? 平気。親は仕事で遅くなるって言うし、姉ちゃんも今日は遅くなるって言ってた。つ・ま・り。今日は夜まで俺一人なの。OK?」
 何で最後だけ英語なのかは分からなかったが、それも隆聖のキャラとして新一は捉えていた。
 これくらい意味不明なところがあるのが、親友として不可欠な要素だろう。
「おばさんは?」
「ん…。夕飯までに帰れば平気」
「すげーよな、仕事までして夕飯のしたくもきっちりするなんて、お前のおばさん。マジで尊敬するよ」
 道中そんなことを言いながら、隆聖はウンウンと一人頷いている。
 新一自身、恥ずかしいため表立っては言わないが、母を尊敬している。ここまで育ててくれたことにも感謝しているし、本当は高校進学もしないで働こうかと考えている新一に大学まで出られるだけのことはしてあげると約束されている。
 はっきり言って、実の子供の自分すら憧れを感じる。
「でも隆聖の家もそうだろ? 仕事と家事の両立」
「あー…駄目駄目。家は冷食主義だから。母ちゃん、仕事から帰ってきたら疲れて家事どころじゃないし、姉ちゃんも遊びまくっているしなぁー…。必然、家事は俺か父ちゃんの仕事だぜ?」
 信じられるか? という視線で見られる。
 何だか切に迫るものを感じて、新一は「とりあえず、頑張ってくれ」と流した。
「しかもお前んとこのおばさん、若いしなー。うらやましい限りだぜ」
 確かに、新一の母は30代後半というわりにかなり若い顔立ちだった。
 童顔というわけではなく、単純に肌の張りなどが良いのだ。
 それが結果として若さを演出し、本人によると未だに20代に見られるとか。
 それはさすがに新一も信じられなかったが、二人で出かけたときも姉弟に間違えられこそすれど、親子と見られたことはあまり無かった。
 結論として、母が若いことは間違いなさそうだった。
 改めてその事実を認識していると、隆聖の家に着いた。
「さて…じゃあ……」
 靴を脱ぎながら家に上がると、隆聖がにやりと笑い、「お楽しみの時間だ」と言った。

「…………」
 家に帰ったあと、居間で新一は呆けていた。結局、二時間に渡る親友とのアダルトビデオ鑑賞会を終えて自宅に帰りついたのは六時少し前だった。
 何だか、世界観が変わってしまった。
 テレビと言う箱だけがまるで別空間になってしまったようで、目の前には未だに女優の快楽に悶える姿と、耳には甘い喘ぎ声が焼き付いている。
(俺にも…そんな相手がいれば……)
 正直、そんな相手は作ろうと思えば新一にはさほど難しいことではなかった。
 告白などそれこそ何度もされたことはあるし、彼女にしてしまえばセックスなどいつでも手が届く環境になったと言える。
 しかし。
 それを実行するには一つのネックが存在した。
(母さん……)
 母親は自分を育てるために何もかもを犠牲にしてきた。
 自分さえいなければ、父との死別後に新たな人生を踏み出せていたかもしれない。
 だが。
 自分と言う足かせが存在したために、母は新たな道を踏み出すことも出来ずに今までずっと孤独な道を歩んできたのだ。
 自分と言う存在が、改めて母親の人生を狂わせてしまっているような気がして、新一は心を沈ませていたのだ。
「あれ…。新ちゃん、帰っていたの?」
 七時少し前に、母が帰宅した。
「電気も点けないで…どうしたの……?」
 母が電気のスイッチを入れる。
(眩…しい)
 目の前がかすむ。
「新ちゃん…。どうしたの? 泣いているの…?」
「…泣いてなんかいない!」
 だけれど。
 それは精一杯の虚勢。
 本当は壊れてしまいたいくらいに泣いているのだ。
「…学校で嫌なことがあったの…?」
「……ちがう」
「それじゃあ…進学のこととか…?」
「ちがう…」
「…お家のこと…?」
「ちが……!」
 違わなかった。
 まさしく新一が悩んでいるのはそのこと。
 だが、図星をさされてしまったことでその同様が言葉を微妙に変化させてしまった。
「…ごめんね。新ちゃんには苦労させていると思っているわ…」
 そうじゃない。
 そんなことじゃないんだ。
「でもね。ごめんね。今はこれが…精一杯なの……」
 違うんだ。
 悩んでいることは……。
「新ちゃん…お願い。もう少しだけ辛抱して…。そうしたら…」
「そうしたら…どうなるのさ」
「え…?」
「この際、俺のことなんていい! 母さんはどうなんだよ! 俺のことばっかり心配して! 自分の事をもっと考えなくちゃ!」
「新ちゃん……」
「母さんは若いんだ! もっと恋愛のチャンスがある! それを俺なんかのために潰して……! そんなのでいいのかよ!」
「ちょ…新ちゃん、落ち着いて。どうしたの?」
「………」
 言ってしまって新一は後悔した。
 そんなことを母に言ってもどうしようもないのだ。
 いくら自分が言ったところで、これは母の決めた道。
 どうしようもないことくらいは分かっている。
「……新ちゃん……ありがとう」
 支離滅裂なことを言って怒られるかと思ったが、母は予想に反した答えを返してきた。
「でもね。私はこれでいいの。確かに恋愛のチャンスはあるかもしれないけど、母さんは新ちゃんと、ずっと二人で生きていこうってずっと前に決めたの……。だから新ちゃんがそんなことを気にする必要は無いのよ……」
 抱きしめながら母は新一を慰める。
「大きくなったのね、新ちゃん…。それに優しく育ってくれて、私は嬉しいわ……」
 確かに身長は母を既に抜き去っている。
 成長期に入ってからあっという間だった。
 母は元々小柄なほうだし、別段不思議なことではなかったが、母親として特有の感慨を抱いているのだろう。
「母さん……」
「さ、夕飯にしましょう…」
 新一が安心しきったのを見計らって、母が新一を解放する。
 だが、新一がそれを許さなかった。
「え…新ちゃ…」
「母さん!」
「え! 何! ちょ…新ちゃん!」
 ひょいと母親を軽く持ち上げると、隣の布団が敷きっぱなしになっていた部屋に母を押し倒したのだ。
「新ちゃん! ちょっと…あ、やめ…ん、んん……」
 母が抵抗するのを、半ば無理やり口付けをすることで、強引に黙らせる。
 新一にとって生まれて初めての口付け。
 それをしてまでの狙いは、先ほど出せた悩みへの答えを実現することにある。
 母は抵抗するものの、口内に舌を侵入させ激しく絡ませていくことで段々と力が抜けていった。
「んん…ん、ぷはぁ。し…新ちゃん……」
 改めて母の顔を近くに感じる。
(母さん…可愛い……)
 心なしか上気した頬。
 とろんとした瞳。
 それらは新一の心を満足させ、次の行為へと進ませていく。
「あ…新ちゃん……。駄目よ…これ以上したら…引き返せなく……」
「母さん…」
 母の制止を振り切って、新一は両手で母の両胸を両手で揉んだ。
(うわ…凄い…。服の上からでも柔らかい…!)
 例えるならマシュマロのようだと新一は思ったが、あるいはそれ以上だ。
 揉めば揉むほど、柔らかさは確かに答えてくる。
 新一の両手では、母の豊満な両胸は収まりきらず、掌に持て余す巨乳が気に入り、何度も何度も揉んでいく。
「あ…止めて…新ちゃん…」
「大丈夫だよ、母さん……」
 何が大丈夫なのかは口走った本人にも果たして不明ではあったが、心なしか母の吐息が熱くなったのを感じて気を良くした新一は更に母に触れたくて、服を強引に脱がせると直接胸に触れた。
「あ…駄目、駄目……」
(そうか…乳首……)
 確か、先ほど隆聖に見せてもらったアダルトビデオでは必ずと言っていいほど男優が女優の乳首を貪っていた。
 そうすると女優は気持ちよさそうな表情と喘ぎ声を上げていたのだ。
 そのことを思い出した新一は、赤ん坊に戻ったようで恥ずかしかったが、母の乳首を口に含んだ。
「あ…ああ! し…新ちゃん……駄目…やめ…ひゃぁうん!」
 勘は大当たり。
 新一が乳首を口に含むと喘ぎ声がより一層甘く、高いものに変化した。
 母が感じていると言う事実を嬉しく思いながら、新一は最後までしてみたいという気持ちがどんどん自分の中で大きくなっていることを感じていた。
 既にズボンの中でペニスは硬くそそり立ち、いつでも挿入できるような状態であるのだ。
 だが、そこで思いとどまる。
 確か、女は濡れていないと痛がるのではなかったか?
 それくらいの知識は童貞とは言え新一にもあったので、母の秘所が濡れているのか確認するためにスカートを捲くると一気にパンティを抜き取る。
「駄目よ! やめて! そんなこと! 新ちゃん!」
 口では抵抗するが、先ほどから不思議にも母から直接手を振り払われたことはない。
 それがどういった意味を持っているのか新一には判断できなかったが、母の性器に顔を近づけて納得した。
(うわ…! 凄い! 凄い濡れている!)
 母は感じているのだ。
 息子の手で愛撫されることによって、言葉ではいくら否定しても身体は快感を得ているのだ。
 キラキラと輝く花弁は、生まれて初めて見る光景。
 とても美しく映った。
 これだけ濡れているなら、多分挿入しても平気だろうと思った新一は、ズボンと下着を同時に脱ぐと、猛るペニスを母のそこにあてがった。
「あ………」
 既に先走りの汁が先端から溢れている新一の肉棒を感じたのか、母がピクリと反応する。
「母さん…入れるよ……」
「駄目よ…私たちは親子なのよ……」
 やはり口での抵抗で、母は一切動作で止めさせようという動作を見せない。
 ならば、それは肯定と同じではないか。
 親子と言う禁忌はあるが、それさえ昂ぶる気持ちの前では無力なタブーだった。
 新一はあてがった肉棒を一気に膣に差し込んでいった。
「あふぅぅん!」
「う…ぐ!」
 親子の絶叫が狭い室内に響く。
(何だ…凄い! これが……女の…中!)
 温かく、そして優しく包み込んでくる感触。
 内側はヌメヌメとそれ自身が意思を持っているかのように、いやらしく蠢いている。
 確かにこの状況は新一にとって新鮮であり、また魅惑的な瞬間であるのだが、これでは駄目だ。
 セックスには至っていない。
 性器を擦り合わせなければ。
 アダルトビデオでもそうしていたし、そうすれば母はきっと喜ぶはずだ。
 自らもより強い快楽を求めて、新一は腰をゆっくりと前後に動かしだした。
「あ…ああん! 新ちゃん…はぁはぅ! ん…ぐ! あ、あ、あ、あ、は…はうん!」
 抽送を繰り返そうとするが、新一は既に限界に近づきつつあった。
 自分はつい先ほどまで童貞。
 相手は一人の子供を生んだ経験を持つ熟女。
 それだけの力量差が挿入以前から運命付けられていたのだ。
 情けないことだが、すぐにでも射精してしまいそうな状態だった。
「新ちゃ…ん! あぅぅん! は、は、は、あん、あん、あん!」
「ぐ…駄目だ…! ああ、駄目だ! イク! イっちゃう!!」
「あ…駄目! 中に出しちゃ駄目! 抜くのよ!」
 母が慌てて肉棒を引き抜こうとしたが、それがかえって新一の肉棒に刺激を与えてしまった。
「ああ! 母さん!」
 新一は母が抜こうと身じろぎをした瞬間、精を実の母の胎内に吐き出した。
 ドクドクドクドク!
「あ、あああ! ああああああ!!」
 勢いよく放たれていく大量の精液を感じたのか、母は大きく目を見開いてその感覚に耐えているようだった。
 新一はいつ終わるとも知れない射精を繰り返しながら、全身を大きく揺すり、全身で射精を行う。
(母さん……)
 今までの自慰行為などと比較にならないほどの快楽。
 それに答えるかのように精液も大量に吐き出された。
(これがセックス…)
 こんな素晴らしいものが世界にあったなどと、信じられないくらい新たな世界へと導く行為。
 それを初めてさせてくれた母に感謝の意味をこめて軽く口付けした。
「し…新ちゃん…。あなた…何をしたのか分かっているの…?」
 母は悲しげな表情で尋ねてくる。
「うん…。セックスでしょう」
 新一は明るく答える。
「セックスって…。あのね、新ちゃん。セックスは赤ちゃんを作る行為なの。そんなに気軽にやってはいけないものなのよ」
「知っているよ」
「…! じゃあ、親子でしちゃいけないことも知っているわよね?」
「誰が決めたのさ?」
「え…?」
 逆に問い返されるとは思っていなかったのだろう。
 母は、心底意外な表情で新一を見返した。
「親子でするのは近親相姦って言うんでしょう? でも法律でやっちゃいけないとか決まっていないんだろう?」
「それは…そうだけど…。けどね、もし赤ちゃんができっちゃったら、奇形児とかになっちゃうから…。だから親子でセックスは駄目なの」
「なら…避妊したら問題は無いよね…?」
「え…? そ…そうね…。確かに…」
 最後はゴニョゴニョとごまかしていたが、新一にはしっかりと聞こえていた。
 そして、ピンと来た。
「母さん…。本当はしたかったんでしょう?」
「そ…そんなことはないわよ!」
「いいや。俺が押し倒したときから抵抗は口だけだったし、避妊さえしたらしてもいいかって言っていたし…」
「ち…違うわ! そういう意味じゃなくて!」
「…じゃあ、確かめてみる?」
「え…?」
「身体に聞いたほうが早いでしょう?」
 母がハッとしたときには既に遅かった。
 新一との会話で忘れていたが、未だ性器は一つにつながっていたのだ。
 しかも、新一は会話をしている間に回復したようだった。
 一度射精したため、新一にもかなりの余裕があり今度は母を突くことに没頭できそうだった。
「あ…あん! 新ちゃん…はぅん! あん、あん、あん! はぐうぅぅぅ!! あ、あ、ふぁぁぁ!」
「ぐ…母さん!」
 抽送を開始してから新一は今度はじっくりと母の膣の感触を味わった。
 ザラザラとした感触の中に、ヌルリと感じる愛液の感触。
 熱い膣の熱。
 そして…。
 性器を直接擦り合わせるという現在の状況以外で考えられない、とてつもない快楽。
 それがペニスから、脳髄へと伝わり、全身へ快楽として流れていく。
「か…母さん! 気持ちいいだろう? 俺として…気持ちいいだろう!?」
「や…はぅん! あ、ああん! だ…あぅん! 駄目よ、こ…んなの…! はぅぅん! 親…子で…こんなの…駄目ぇっ!」
 意外と強情な母を可愛く思いながら、新一は腰の動きを少しずつ変化させていく。
 大きく「の」の字を書くと、女性は感じるという話を聞いたことがある。
 ならば、実戦あるのみだ。
 いくらこちらは一度射精しているとは言え初心者。
 熟女相手にそう何分も保たない。
 ならばテクニックで翻弄して、絶頂に導くしかない。
 新一はありとあらゆる自分の中に眠る性技を使って、母を絶頂に導こうとした。
 そうすれば、母も認めざるを得ない。
「あ…新ちゃん! はぅぅん! や…駄目ぇ! そんなことしちゃ駄目!」
 腰だけでは駄目なのだろうか。
 すぐに頭を切り替えて、目の前でゆれている胸に手を伸ばす。
 乳首を吸いながら動いたらどうだろうか。
「やぁぁぁ! あふぅぅぅん! 新ちゃん…あ…はぐぅぅん! あ、あ、あ、あ、新…ちゃん」
 だが。
 母を絶頂に導く前に、自分が上り詰めてしまったようだ。
「うがぁ! 駄目だ! まだ…イかないでくれ!」
「え…あ!?」
「ああああ!!」
 新一が絶叫とともに精液を母の膣内に吐き出す。
「あ、…ああ……」
 母は注がれる精液の感触を感じているのか、目を閉じて感じ入っているようだった。
(…くそぅ…。駄目…なのかよ…俺じゃあ……)
 母を絶頂に導こうとして、自分が先に絶頂に達してしまっては本末転倒だ。
 自分に負けた、というよりも、母を満足させられなかった、という思いのほうが強く、悔しかった。
「…聞いてもいい? 新ちゃん…?」
 そのまま新一を抱きしめながら、母は訪ねてくる。
「どうして…私とセックスなんてしようと思ったの…? 近親相姦はこの際置いておくとして、私はどうして新ちゃんが私を抱こうとしたのか知りたいの…」
「……辛かったんだ…」
「どうして?」
「…さっきも言ったけど、母さんには絶対恋愛のチャンスの一つや二つ、いつでもあると思った…。でも恋人を作らないで…きっとセックスだって我慢しているんだって…。でも…それをさせているのが俺なんだって…気づいちゃったから…」
「…誰かに言われたの?」
「…ううん。俺、足かせなんだよね、母さんの。母さんを働かせているのも、再婚させないのも、俺がいるから…。俺さえいなければ…きっと母さんは幸せになっていて…。だから…俺に出来ることって…セックスくらいしかないから…」
 そこから先は支離滅裂だった。
 新一は自分でも何を言おうとしているのか訳がわからなくなっていた。
 それでも、母は新一の言葉にじっくりと耳を傾けて新一の気が済むまで話を聞いた。
「…新ちゃん…。やっぱり、あなたは優しい子よ。私に親孝行したかったのね…」
 そう言って頭を優しく撫でてくれた。
 思わず、涙がこぼれる。
「あらあら、泣き虫なのは昔から変わらないのね。今日は泣きっぱなし」
 流れる涙を拭いながら、母は新一を慰める。
「それにね、新ちゃんを足かせなんて思ったこと一度も無いわ。親は子をそんな目で見ないものよ。だから、悲観的になっちゃいけないわ…」
「…うん」
「それにしても…新ちゃん。強引にっていうのは良くないわ」
「え…?」
「押し倒し方とか。あれじゃあレイプよ」
「あ…」
「女の子はもっと優しく扱ってあげないと…」
「そう…だね……」
 多分、母はもう二度と抱けないだろうけれど。
 今度の機会があったら、そのときに同じ過ちを繰り返さないように肝に銘じたとき、母の口から意外な言葉がつむがれた。
「でも…新ちゃん。上手だったわよ、とても」
「う…嘘?」
「そんなことで嘘言ってどうするのよ」
 それは確かにそうなのだけれど。
「今日が初めてだったのよね? それにしては上手…。二度目は私もイきそうだったもん…」
 母が恥ずかしそうに打ち明けてくる。
 それでは、自分がもう少し我慢できれば母を絶頂に導けたというのか…。
 今更仕方の無いことだが、改めて悔しさを感じる。
「…ねぇ、新ちゃん。これからもしてくれるよね?」
「………え?」
「だって、新ちゃん。親孝行でセックスしてくれるんでしょう?」
「う…うん。だって、俺が出来ること他にないし…」
「ううん…。はっきり言われるとこっちも困っちゃうけど…。でもね、女は暫くしなくても平気だけど、一回でもしちゃうとスイッチが入っちゃうのよ」
 そう言って、母は入りっぱなしだった新一のペニスをギュッと絞り上げた。
「あぐ…!」
「だから…ね。これから毎日してね…朝と…夜……」
 その言葉に、新一の怒張に力が漲る。
 それを感じたか、母も一度身体をぶるりと振るわせる。
「今日はね…。すごく久しぶりだから…一杯して欲しいの。新ちゃん…、若いから大丈夫だよね?」
「うん…多分。今までも、結構オナニーとかしてたし…」
「そうなの? なら安心ね……。ねぇ、正常位以外も試してみない?」
「別にいいけど…どんなの…?」
 体力にはそこそこ自身のある新一だったが、思いのほか二度のセックスで体力を使っていたことからあまりハードそうなのはご遠慮願いたかった。
「騎・乗・位」
「ええ〜! あの馬乗りになるやつ?」
「いや?」
「う、ううん! しよう! 母さんとなら…俺、何だって出来る」
「ありがとう…新ちゃん……」
 一度母が肉棒を引き抜き、改めて新一の上に跨った。
「それじゃあ…入れるわよ…」
 ズブズブ。
 まさにそんな様子で肉棒が膣へと収まっていく光景が見えた。
 今までが正常位が二度だったため、性器の交わっているところをじっくりと見ているゆとりは無かったが、これなら見ることが出来る。
 ずいぶんと卑猥な光景だ。
「それじゃぁ…。二回も新ちゃんが頑張ってくれたから、今度は私が動くね……。ん、ん、ん、あ…!」
 母が動き出すたびに、全て収まったはずの肉棒が見え隠れして、すごい興奮を誘った。
(まず…。このままじゃ…またイっちゃう…)
 あまりこの光景は見ないほうがいい。
 そう思い、何か他のものに意識を集中しようと思ったところ、プルプルと震える乳房が見えた。
(これだ…!)
 先ほど、胸への愛撫と抽送を同時に行ったとき、少しだが母の喘ぐ声が高くなった気がした。
 その微かに見えた光明を信じて、新一は手を伸ばし、乳房を掴む。
「うぁん! し…新ちゃん…。乳首…乳首触って……」
「そこが…気持ちいいんだね?」
「うん…。そうなの…お願い……」
 ビンゴ。
 そう思い、上半身を起こし乳首に吸い付く。徹底的に乳首に愛撫を加えていけば、もしかしたら…。
「あ…新ちゃん! はぁ! うううん! いい! いいよぉ! それぇっ! いいのぉぉ!」
 レロレロと舌先で乳首を愛撫しながら、もう片方の乳首を親指と人差し指で扱く。
 やはり、母の喘ぎ声は高くなる。
 母の抽送に合わせて腰を動かしながら、胸への愛撫を続けていく。
「や…はぅん! あ…そんな…激しい! あぐぅ! 激しいのぉ! や…あぅん! は、あ、は、は、は、あ、あ、あ、駄目っ…駄目ぇ…。私、そんなに…はぅ! そんなに激しいと…イっちゃうのぉ!」
 遂に聞いた。
 母が絶頂に手が届きそうなのだ。
 幸いにも、今度は新一にもゆとりがあった。
 絶頂を合わせることもできるだろう。
「イこうよ! 母さん! 俺と…一緒にイこう!」
「うん! うん! 私…ああん! 新ちゃんと…新ちゃんと一緒にイクのぉっ! 嬉しいぃっ!」
 母が自分と一緒に絶頂を迎えられることに喜びことを感じている。
 男ならば、意地でも絶頂に導かないといけない。
 新一が強く、腰を打ち付けていく。
「あ…あ、あ、あ、あ、あはぁん! 新ちゃん! もう駄目…。私…私…もう駄目よぉ…。はぐぅ! んはぁ! ああん! 私…イク…イっちゃう!」
「俺も…俺も…イくよ!」
「うん…! いいよ…中に出して! 私の中に、新ちゃんの精液、いっぱい出して!」
 自分が生まれてきた場所へと、再び肉棒をうずめ精液を放つ。
 それはなんともいえない、背筋にゾクゾクと来る会館を与えてくれた。
「あ…駄目…、駄目ぇ! もう…激しくて…耐えられない…。あ、あ、イク…私、イっちゃう! イっちゃうのぉ! あああああああああああ!!!」
「母さぁん!!」
 母の絶頂にあわせ、新一も精液を放つ。
 遂に…母を絶頂に導いた。
 その満足感とセックスにより消費した体力が、新一を眠りへと誘っていった…。

「あ…目が覚めた…?」
「母さん…」
 気がつくと母の腕の中だった。ちょうど、胸に顔をうずめる形になっており、新一は思わず驚きの声を上げてしまった。
「なによ…。お化けでも見たような声を出して…」
「ご…ごめん。俺…寝ていた?」
「うん…。びっくりしたわよ。新ちゃん、イきながら倒れちゃうんだもん…」
「ごめん…」
「フフ…。それも若いからよ。経験をつめばそんなこともなくなるわ。自分の限界を知るから」
 すると自分は相当の無茶をしたということか。
 赤面するのを感じた。
「でもね…。ありがとう、新ちゃん……」
「なに…が…?」
「新ちゃんが頑張ってくれたお陰で、私…初めてイけたの…」
「初めて…? でも…」
「…お父さんとしたときはね、一度も…。それに、お父さん私が新ちゃんを妊娠したと知ったら途端に冷たくなって…他に女作って、結局その女のところへ向かうときに事故死よ…」
 辛い過去を振り返っているのだろう。
 新一にもそれくらい分かった。
 母はさびしかったのだ。
「だからね…恋人を作っても…また裏切られそうで…。それが怖かったのもある……。でもね。もう一度男の人を信じる勇気が出たの…」
「母さん…」
「新ちゃん…。これからも私の側にいてくれる?」
「俺が…?」
「そう…。私…もう新ちゃん以外の人には抱かれない…。新ちゃんのことが…好きなの…。女として…」
「お…俺も…母さんのこと…」
 だが、新一が言おうとした言葉は、母の突然の口付けにさえぎられてしまう。
「ちょ…母さん! 俺にも言わせろよ!」
「えへへ。駄目。新ちゃんはこんなおばさんよりも、若い女のこの方が似合うわよ」
「母さんだって十分若いじゃないか。俺だって…母さんのこと……マジで好きなんだよ…」
「…引き返せないわよ」
「うん」
「浮気…しないでよ……」
「するもんか!」
「ありがとう…新ちゃん…愛している……」
「俺もだよ…母さん……。それで…四回戦目平気?」
「え…? まだ平気なの…?」
「だって…母さんの中…たまらないんだもん」
「……そうね。しましょう、たくさん」
「母さぁん!」
 新一が母の身体に三度肉棒を押し込める。
 優しく夜が更けていく中、二人の甘い声だけがいつまでも、いつまでも響いていた…。



あとがき
 私の敬愛する方が最も好きという母子の近親相姦ものです。
 その方のいうとおり、母親だけは何となく許しちゃう気がするんですよね。息子に襲われても。

 実は、このお母さんは本当は勇気が欲しかったんです。
 それを新一君がセックスを通して与えてくれるというお母さんが非常にハッピーなエンディングになっています。新一君もハッピーですが(笑)
 何気に序盤に出てくる隆聖がいい味を出していますね(笑)
 改めて読み返して「あ、こいついい奴だ!」と直感で思えました。
 もちろん新一もいい奴です。これからの母親とのハッピーライフを満喫して欲しいものです。

(2005/03/30)
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